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BRM326名古屋400(その2) [自転車]

PC2を出て遠州街道と呼ばれる国道151号を南下する。

アップダウンを繰り返しながら天竜川から離れるにしたがって高度を増していく。 

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道端の八重咲の梅(?)が満開で綺麗だった。思わず止まって写真を撮る。

時間を気にしない自転車海苔に戻りたいと思う瞬間だ。

 

阿南の信号で先行のライダーが通り過ぎて止まった。右折の信号を見落としたようだ。押しボタンの信号を押して「右」と合図する。

IMGA0018.JPG

天竜川沿いの道に出たところからはひたすら曲がりくねった道を川沿いに下る。

平岡の集落を抜ける頃には暗くなってきた。 

ライトを全部付けて狭い道を一人で走っているとどこを走っているのか分からなくなってくる。「佐久間ダム湖沿いの40キロは真っ暗で何もありません」と言うブリーフィングの言葉が思い出された。

しばらく走って一人のライダーに追いついた。しばらく後ろについて走ったが、腹が減ってしょうがない。やっと見付けた作業小屋の軒下でパンとウィダーで補給する。

この先まだまだこんな道が続きそうだが、ボトルのアクエリが少なくなってきたのが気に掛かる。

10分ほど休憩したが、車一台通らない。真っ暗な中、また走り出すが、カーブの連続と、風に飛ばされ道に落ちた木片に気を使いスピードは出ない。

 

対岸に少し明かりの見えるところがあったが、橋が無い為渡れない。自販機の一つもあれば水だけでも補給できると思うがしょうがない。

微妙なアップダウンを無限に繰り返し、数え切れないカーブを曲がると少し明かりが見えてきた。やっと富山村に入ったようだ。家があれば自販機の一つぐらいあるだろうと安心したが、探しながら走っても見当たらない。とうとう明かりもなくなってまた真っ暗な世界に入っていく。

 

佐久間ダムまでまだ20キロ以上はありそうだが、無い物は無いので諦めるしかない。

 

空には満天の星が煌めいているが、見る余裕が無い。

喉は乾いてくるし、真っ暗な無限に続くカーブとアップダウンに「何でこんなことしてるんだろう」と心が折れそうだ。

カーブのたびに山肌から滝のように流れ落ちる水の音が聞こえる。何度も降りて飲みに行きたくなったが、「こんなとこで腹痛でDNFも最悪だ 」と思いとどまった。

夏場はいつもダブルボトルで走るのでこんなことにはならないが、今の時期なら1本で充分とボトルケージに輪行袋を入れてきた。無補給の山地ブルベではダブルボトルが必須だと思い知らされた。 

 

途中で採石場の明かりに水道でもないかと目を凝らしてみたが見当たらない。仕方なく疲れた脚を回す。

休憩したくても水も無いので早く自販機まで辿り着く事だけを考えて必死に漕いだ。

 

今まで真っ暗だったトンネルにオレンジの明かりが点くようになった。長いトンネルを何本か抜けたところでやっと佐久間ダムに到着だ。何だか生き返ったような気がする。

早く自販機に辿り着きたいとは思ったが、こんな思いをしてやってきたダムの写真1枚ぐらいはと思って止まって撮った。よくわかんない写真だけど、上に「佐久間ダム」って書いてあるの見えます?  見えない人は自分で行って見ましょう。(笑) 

IMGA0019.jpg

ダムから急なトンネルを抜けて佐久間の集落へ下る。やっと見つけた自販機でアクエリとコーラを一気飲み。生き返ったが、今度は寒くなってきた。今まで水の事ばっかで寒さまで頭が回らなかったようだ。

 

ここからは所々に水銀灯の明かりがあるため走っていても安心する。

真っ暗な緊張感から開放されたのか、疲れが出て眠くなる。 明かりの下でへたり込んで休憩だ。

 

22時45分  PC3到着  249キロ

 

PCの度によく顔を見るライダーばかり。皆あの真っ暗な道を走り抜けて来たライダーだと思うと妙に親近感をもつ。

ここでジャージとアンダーシャツを着替え、寒いのでカッパまであるものすべてを着込んでスタートする。時間に余裕がないのでゆっくり出来ないのが辛い。

 

新城の街中の旧道で眠くなってきた。まっすぐ走れないのが自分でも分かるくらいだ。何度もハッとしてハンドルを直す。危うく電柱にぶつかる所で気がついて少し眠気が覚める。

本宮山麓の道は200キロで2度往復した道なので先がよく分かる。

次の座れるコンビニで休憩しようと思いながら走ってもなかなか無い。すべてのコンビニに休憩スペースがあってくれたらどんなにうれしい事だろう。

 

この後2時過ぎに蒲郡のコンビニで休憩したようだ。

ようだってのは記憶が無い。ログを見ると15分ほど休んでいるが、どこで何を買って食べたか思い出せない。

 

眠気と寒さと格闘しながら西に向かう。少し休みたくてもコンビニの駐車場では寒い。やっと見付けたコインランドリーは、電気は点いているのに営業時間が終わっていて開いてない。次に見付けたコイン精米所。ここならいいと思ったが、民家のまん前過ぎて通報でもされたら大変だと諦めた。

西尾の街に入ってから道端に神社を見つけ軒下で仮眠する。ここまで苦労して、寝すぎて時間切もバカらしい。携帯の目覚ましで10分をセットした。一瞬で記憶が無くなったが目覚ましが鳴らないと気がついたら、7分しか経ってなかった。寒さで目が覚めたようだ。このまま寝込んだらヤバイと思い走り出す。

ほんの少しの仮眠だが眠気が治まった。時間がないので先を急ぐ。

しばらくして長い橋を渡る。やっと衣浦大橋だと喜んだが、矢作川の橋だった。

やっと辿り着いた衣浦大橋を渡り終えるとしばらくで通過チェックのコンビニだ。セブンイレブンの看板もサインボードも省エネなのか消えている。危うく通過するところだった。先着の反射ベストで気がついてよかった。

 

4時58分  半田通過チェック到着  332キロ   制限時間10分前

 

ギリギリの到着で少し焦ったが、ゴールまでは後75キロ、5時間あるので何とかなる思い直す。

夕方から食事らしいものを食べれない。なんとか口に入れようとバームクーヘンを食べたが半分で戻してしまった。ウィダーと栄養ドリンクの補給で済ます。

通過チェックなので当然有人だと思ったが誰もいない。先着のペダルイさんも証拠のレシートだけでリスタートして行った。

 

コンビニから出てしばらく走ってからナビの設定をするのを忘れているのに気が付いた。睡魔と寒さで頭も鈍っているようだ。慌ててQシートを見て曲がるところを間違えたと引返す。

コンビニの手前まで戻ってシートの見方を間違えたのに気が付く。焦ってもしょうがないと自分に言い聞かせても頭は眠っているのだろう。

半田の街でコンビニで話したライダーに追いついた。眠いのか車線の真ん中まで蛇行しながら走っている。自分のこんな危ないのかと思いながら前に出て引いていこうとしたが、付いて来なかった。

 

一人で真っ暗な知多半島を南下する。気持ちは焦るが脚は回らない。相変わらず眠気で すぐにペースが落ちていく。

河和の辺りで日の出となった。

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少し明るくなると眠気が増す。昨年の400では畑に突っ込んだ。今日は寒いから大丈夫だと思っていたら間違いだった。

 

眠気でふらついた瞬間に路肩の舗装からはみ出した。ヤバイと思った瞬間左側のコンクリートの擁壁に手を突いて止まることができた。幸いスピードも出てなくて落車もせずに済んでホッとした。

こんなことで目が覚める。

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6時32分  PC4到着  362キロ

 

食べ物が入らないのでゼリーと眠気覚ましの「眠眠打破」の補給。アクエリを詰めてリスタート。

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師崎で半島の西側に出る。思ったとおり向かい風となった。平地なのに20キロ出ない。

朝錬なのか対向するローディーとすれ違う様になる。追い風も手伝ってか高速で走り去っていく。こちらはカッパまで着込んだ重装備。どう思われているのかと気になった。

IMGA0024.JPG

野間の灯台ではやっぱり写真が欠かせない。ブルベライダーも写真くらい撮るだろうと思ったが、後から来るライダーは誰一人止まらなかった。

常滑が近づくと車も多くなる。日曜ではあるが、通勤なのか北に向かう車が一杯追い抜くため気が抜けない。初めて飲んだ「眠眠打破」が効いたのか眠気はない。

IMGA0025.jpg

常滑のコンビニで水を補給しゴールを目指す。マリンパークの風車が見えたときはあと少しだと嬉しくなる。

ここまで来ても時間に余裕が無い。パンクだけは勘弁願いたいと思う時間だ。

産業道路の上からゴールの海釣り公園が見えた。 やっと帰ってきた。

IMGA0026.JPG

 

9時24分  ゴール到着   406キロ 

 

レシートを確認してブルベカードにサイン。メダルにチェックして1000円払う。いつもと同じゴールシーン。 

スタッフの皆さん、ありがとうございました。

そして一緒に苦しんだ(楽しんだ?)ランドヌールの皆さん、お疲れ様でした。 

 

110326.JPG

 

 

26時間24分   1日が3倍以上に感じられる400キロだった。

 

残雪の治部坂峠と極寒のダウンヒル。

暗闇の無限カーブと水無の20キロ。

寒さと睡魔の夜間走行。

向かい風と時間との戦い。

 

一日でこれだけの体験が出来るブルベは『とても素敵なお遊び』だと思う。 

 

『でももう二度と走りたくない』と言うのが今の素直な感想です。

 

 

 

 

 

一週間後は分かりませんが。。。。(笑)

 


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コメント 14

シゲ

>>1週間後には分かりませんが・・・・(笑)
ほんとに好きなんですよ、だいちゃんは、
自転車が。
次のブログを楽しみにしています。
by シゲ (2011-03-30 23:34) 

がきやん

お疲れさんでした。

これだけ写真撮りながら走れたら余裕ですがな。

次は600で。
by がきやん (2011-03-30 23:47) 

dai-chan

>シゲさん

自転車は大好きですよ。
でも、修行のような自転車はどうしても好きになれません(笑)

明け方の知多一もなかなか良かったですよ。

by dai-chan (2011-03-31 22:39) 

dai-chan

>がきやん

お疲れ様~。
今回は時間との戦いでヘロヘロでした。もうちょっとアベを上げないとゆっくり写真も撮れないのが辛いとこですわ。

こんなんで600が走れるのかなぁ。

by dai-chan (2011-03-31 22:46) 

nonbo

いや~
まいりました
by nonbo (2011-03-31 22:48) 

にしやん

あの日は風強く寒かったね~。
しかし、ホンマようやるわ。
事故だけは起こさんように気付けてね。

アタシもようやく100k超走れる感じになってきたよ。
また、暖かくなったら走りましょう。

by にしやん (2011-03-31 23:05) 

dai-chan

>nonboさん

>いや~  まいりました
って何が??

花見やりましょっ!! 


by dai-chan (2011-04-01 18:00) 

dai-chan

>にしやん

この日は3月も終わりだと言うのに寒かったね。
これじゃ桜も遅くなりそうだ。

そろそろ冬眠から覚めたみたいだね。またよろしく~
by dai-chan (2011-04-01 18:04) 

しいはら

はじめまして。
たまにらうむさんのブログにコメントするしいはらです。
師崎のコンビニの画像に写っていたので、ほぼ同じタイムですね。
僕は26時間12分でした。
K1はホントに真っ暗でクネクネでしたね。
今回はPCでの休憩時間をちょっとずつ削って、蒲郡で漫画喫茶に入って40分寝ました。これがかなり効き目ありました。
僕は次は名古屋600に参加予定です。もし出られるのならよろしくお願いします。
by しいはら (2011-04-01 20:53) 

dai-chan

>しいはらさん

PCの貯金が少なすぎでまとまって休めないのは辛かったです。
それと天竜川沿いの真っ暗はなかなか経験できない体験でしたね。

次の600はもう少し暖かくなってからと思ってます。ご一緒のときはよろしくです。
by dai-chan (2011-04-02 23:36) 

かず

"その1"のあとの続編がなかなか出ないなぁと思っていたら、3/30に出ていたんですね。
なんでgooglereaderに反映されなかったんだろう???・・・

それにしても、酔っているわけでもないのに記憶がなくなるなんて、サラリと書いているけど凄すぎます。
nonboさんじゃないけど、ほんと、まいりました。

で、今頃はもう600を走ったあと?
by かず (2011-04-03 20:42) 

dai-chan

>かずさん

読んでてくれたんだ~(笑)
最近音沙汰無いから仕事が忙しいのかと思ってましたよ。

600はもうちょっと暖かくなってからにしようかなと。。。
ご一緒いたしますか? 


by dai-chan (2011-04-04 17:44) 

山ちゃん

お疲れ様です。
この、記事を読んでると、別世界ですね。

西尾を通過されたんですね。でも深夜?

by 山ちゃん (2011-04-08 08:57) 

dai-chan

>山ちゃん

西尾も走ったけど真夜中で何にも覚えてません。
三河湾沿いで見たのはラグーナの明かりと碧南火力の夜景ぐらい。
後はひたすら眠気との戦いでした。

のんびり走ったらいいとこなんでしょうけどね~
鰻も美味そうだし。。。
by dai-chan (2011-04-08 18:01) 

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