BRM529 静岡400(その2) [自転車]
PC3では山に備えて補給を買ってバックに入れた。
バックに入れたことを後で後悔するとは思っても見なかった。
コンビニを出てすぐに道に迷う。来た道を引き返すんだったか進むんだったか?
ナビが動き出して初めて気が付く。
キューシートも地図も見ないで走り出すライダーでいいのか? GPSが逝かれたら到底走れないだろう。
キューシートだけで走れる人をマジで尊敬する。
明智鉄道沿いの県道を南下しながら上っていく。
恵那の夜景が綺麗に見えていた。この先こんな光景はずっとないだろう。
辺りが暗くなってからどこを走っているのかよく分からない。
岩村を過ぎた辺りで応援メールが入っていたので水銀灯の下で休憩しながら返信をする。
走り出すが坂がキツイ。暗くなって少し脚が回るようにはなったが、相変わらずインナーローでクルクルの状態が続く。
少し走ると横の農道で犬が吠えて走って来る。後ろで飼い主が犬の名を呼んでいるようだが止まらない。国道とは段差があるので大丈夫と思っていたら駆け上がってきた。
走って逃げたいがインナーローで進まない。人間より大きい犬がすぐ横まで来て今にも噛み付きそうに吠えている。
「せっかくここまで頑張ってきたのに犬の餌食でDNFかよ~」と思いつつクリートを外す暇もないので必死で漕いで逃げた。漕いで漕いでやっとの思いで逃げれた。
補食をジャージのポケットに入れておけば、犬目掛けて投げつけてやれば簡単だったかと思うと後悔した。
イノシシや鹿に出くわす話は聞くが、飼い犬に追っかけられてDNFでは情けないと後で思ったら笑えてきた。
真っ暗の中そんなことを考えながら、国道の長いトンネルを抜ける。
とりあえず一つ峠を越えた。残りは一つ。
トンネルからは矢作川まで一気に下る。道もよく涼しくて快適だ。
下りきったところからは田口の手前まで延々20キロの緩い上りが始まる。
上りなのか下りなのかよく分からないしどこを走っているのかも分からない。さっきも同じとこを走ったような気がしてくる道が続く。
ピークが来たら長い下りに備えてウィンドブレーカーを着ようと思っていたが、どこがピークか分からない内に一気に下り出した。
田口の手前で少し上り返し、後は新城までずっと川沿いの下り。
暗いと眠くなるかと思っていたが、そうではないようだ。風は涼しく、ライトの明かりが充分であれば昼間より車も少なくて快適だ。
止まることなく走り続けて、少し時間を挽回できた。
2:26 PC4到着 324.7キロ
PC4にはブルベをよく走られる「シイナ」さんが見えていた。今年は仕事の都合でなかなか走れないって残念そうだった。
食べるものが入らないので、ユンケル、ウィダー、ゼリーの三点セットで補給する。
あと80キロ、制限まで6時間半あるので何とかなりそうだ。
宇利峠は真夜中で真っ暗だ。車も通らない。下を走る東名はこの時間でも多くの車が通過していく。
少しは夜の写真もと思ってとってみたが、何の写真だかよく分からない。
ここで静岡に戻ってきたことになる。坂を下れば、先週も走った浜名湖沿いに出る。
ここからは湖畔沿いの夜景を見ながら走れる。
今の時期、4時を過ぎると明るくなってくる。
新居関まで来たところで、先週走ったときに「まぁ~」さんが、葬式用の写真を撮るって言ってたのを思い出して止まった。
ここからは先週中田島砂丘まで行ったときと同じコースである。
周りが明るくなってきたら眠気が出て来た。
自転車に乗りながら「居眠りすると落ちる」とは聞いていたが現実だった。
ほんの一瞬記憶がなくなっただけで、畑の突っ込んだ。
幸い、道とフラットな畑で、すぐに気が付いて飛び降りることが出来て助かった。
まだ運があるようだ。
すぐに見つけた保育園の階段で座ったまま10分程仮眠をする。
危ない目に遭ったがいい教訓だ。これからは気をつけよう。
少し眠るだけで目が覚める。先週は必死で走った中田島までの道をゆっくり走って、PCに着く。
5:51 PC5到着 375.1キロ
ここまで来れば焦る事はない。せっかくここまで走ってきたのだから、トラブルなく完走を目指すだけだ。
ここから国道150号を東へ向かう。時間が早いためか、車も少なく走りやすい。少し向かい風があるのでスピードは出ない。
残り少なくなったところでエコパへの上りが始まった。6%の延々と続く上りに静岡スタッフの思いが込められている様だ。
400走ってきた脚にはこれは堪えた。思わず止まって写真です。
トンネルを越えて下りだしてほっとした。
あとは線路沿いをゴールへ走るだけ。
明るいゴールは初めてだ。200も300も暗かった。
7:50 ゴール到着 406キロ
ブルベカードにサインして、メダルにチェックを入れて1000円払う。いつもと一緒のゴールシーンです。
スタッフの皆さんありがとうございました。
バイクを片付けて、近くの温泉が開くまで仮眠する。風呂に入って畳の休憩所で爆睡。
鼾を掻かなかったか心配になったが、昼過ぎさっぱりしての帰宅です。
この400、ダメもとで走ってみたが、いい勉強になった気がする。
夜中の走り方、眠いと時の止め時。これから役に立つことだろう。
二日経っても、尻の痛みと全身の筋肉痛が酷い。
残り600キロ、さてどうしよう?
バックに入れたことを後で後悔するとは思っても見なかった。
コンビニを出てすぐに道に迷う。来た道を引き返すんだったか進むんだったか?
ナビが動き出して初めて気が付く。
キューシートも地図も見ないで走り出すライダーでいいのか? GPSが逝かれたら到底走れないだろう。
キューシートだけで走れる人をマジで尊敬する。
明智鉄道沿いの県道を南下しながら上っていく。
恵那の夜景が綺麗に見えていた。この先こんな光景はずっとないだろう。
辺りが暗くなってからどこを走っているのかよく分からない。
岩村を過ぎた辺りで応援メールが入っていたので水銀灯の下で休憩しながら返信をする。
走り出すが坂がキツイ。暗くなって少し脚が回るようにはなったが、相変わらずインナーローでクルクルの状態が続く。
少し走ると横の農道で犬が吠えて走って来る。後ろで飼い主が犬の名を呼んでいるようだが止まらない。国道とは段差があるので大丈夫と思っていたら駆け上がってきた。
走って逃げたいがインナーローで進まない。人間より大きい犬がすぐ横まで来て今にも噛み付きそうに吠えている。
「せっかくここまで頑張ってきたのに犬の餌食でDNFかよ~」と思いつつクリートを外す暇もないので必死で漕いで逃げた。漕いで漕いでやっとの思いで逃げれた。
補食をジャージのポケットに入れておけば、犬目掛けて投げつけてやれば簡単だったかと思うと後悔した。
イノシシや鹿に出くわす話は聞くが、飼い犬に追っかけられてDNFでは情けないと後で思ったら笑えてきた。
真っ暗の中そんなことを考えながら、国道の長いトンネルを抜ける。
とりあえず一つ峠を越えた。残りは一つ。
トンネルからは矢作川まで一気に下る。道もよく涼しくて快適だ。
下りきったところからは田口の手前まで延々20キロの緩い上りが始まる。
上りなのか下りなのかよく分からないしどこを走っているのかも分からない。さっきも同じとこを走ったような気がしてくる道が続く。
ピークが来たら長い下りに備えてウィンドブレーカーを着ようと思っていたが、どこがピークか分からない内に一気に下り出した。
田口の手前で少し上り返し、後は新城までずっと川沿いの下り。
暗いと眠くなるかと思っていたが、そうではないようだ。風は涼しく、ライトの明かりが充分であれば昼間より車も少なくて快適だ。
止まることなく走り続けて、少し時間を挽回できた。
2:26 PC4到着 324.7キロ
PC4にはブルベをよく走られる「シイナ」さんが見えていた。今年は仕事の都合でなかなか走れないって残念そうだった。
食べるものが入らないので、ユンケル、ウィダー、ゼリーの三点セットで補給する。
あと80キロ、制限まで6時間半あるので何とかなりそうだ。
宇利峠は真夜中で真っ暗だ。車も通らない。下を走る東名はこの時間でも多くの車が通過していく。
少しは夜の写真もと思ってとってみたが、何の写真だかよく分からない。
ここで静岡に戻ってきたことになる。坂を下れば、先週も走った浜名湖沿いに出る。
ここからは湖畔沿いの夜景を見ながら走れる。
今の時期、4時を過ぎると明るくなってくる。
新居関まで来たところで、先週走ったときに「まぁ~」さんが、葬式用の写真を撮るって言ってたのを思い出して止まった。
ここからは先週中田島砂丘まで行ったときと同じコースである。
周りが明るくなってきたら眠気が出て来た。
自転車に乗りながら「居眠りすると落ちる」とは聞いていたが現実だった。
ほんの一瞬記憶がなくなっただけで、畑の突っ込んだ。
幸い、道とフラットな畑で、すぐに気が付いて飛び降りることが出来て助かった。
まだ運があるようだ。
すぐに見つけた保育園の階段で座ったまま10分程仮眠をする。
危ない目に遭ったがいい教訓だ。これからは気をつけよう。
少し眠るだけで目が覚める。先週は必死で走った中田島までの道をゆっくり走って、PCに着く。
5:51 PC5到着 375.1キロ
ここまで来れば焦る事はない。せっかくここまで走ってきたのだから、トラブルなく完走を目指すだけだ。
ここから国道150号を東へ向かう。時間が早いためか、車も少なく走りやすい。少し向かい風があるのでスピードは出ない。
残り少なくなったところでエコパへの上りが始まった。6%の延々と続く上りに静岡スタッフの思いが込められている様だ。
400走ってきた脚にはこれは堪えた。思わず止まって写真です。
トンネルを越えて下りだしてほっとした。
あとは線路沿いをゴールへ走るだけ。
明るいゴールは初めてだ。200も300も暗かった。
7:50 ゴール到着 406キロ
ブルベカードにサインして、メダルにチェックを入れて1000円払う。いつもと一緒のゴールシーンです。
スタッフの皆さんありがとうございました。
バイクを片付けて、近くの温泉が開くまで仮眠する。風呂に入って畳の休憩所で爆睡。
鼾を掻かなかったか心配になったが、昼過ぎさっぱりしての帰宅です。
この400、ダメもとで走ってみたが、いい勉強になった気がする。
夜中の走り方、眠いと時の止め時。これから役に立つことだろう。
二日経っても、尻の痛みと全身の筋肉痛が酷い。
残り600キロ、さてどうしよう?
BRM529 静岡400(その1) [自転車]
2月終わりのアクシデント以来お休みしていたブルベ、復帰戦です。
2月の中部300以来、長距離を走ってない。3月の終わりには復帰のために180ほど走っては見たが、やっぱり焦ったようだった。
このまま長距離は走れなくなるんじゃないのか?
ヤブ医者には「このまま50肩に突入するかも」なんてことを言われて心配もした。
3月、4月、5月と近場のブルベが終わっていく。
走れるようになったらと思ってエントリーしていた、「BRM529静岡400」の案内メールが届いた。
一度は今年の復帰は無理と諦めたいたが、やっぱり迷う。
今年、ブルベを走り始めたときから、ずっと励ましてくれている人からは「走りたい気持ちがあるのなら、DNF覚悟で気楽に走ってみたら」という言葉をもらった。
今までは走る以上は完走が目標だった。「行けるとこまで行ってダメならDNFでもいいじゃないか」ってことを気づかせてもらった気がする。
気は楽になった。でも一つ考えることが増えた。
DNFの帰りをどうする? 泊まれるところかあるのか?電車のあるところで止めて輪行か?。
今回のコースはPC3の恵那で夜になる。その先は新城までずっと山の中だ。止めるなら恵那までに決断しないと山の中でイノシシか熊の餌になる。
そんなことを考えながらの準備です。3ヶ月のぶりのブルベ、装備も忘れてます。(汗)
静岡のブルベはスタートが早い。
2時前に起きて高速で袋井を目指す。ナビのおかげで場所はすぐに分かった。
雨と夜中の装備に迷う。天気予報では少しは降られるかもしれない。結局、バックに入るだけ詰め込んで重くなる。
こんなんで峠が上れるのか心配になるがしょうがない。
受付を済ませてブリーフィング。
装備も人それぞれで見ると参考になる。
スタートからPC1までは近いため、前も後ろもブルベライダーが続く。
袋井の街を北上し、山が迫ってくると天竜川に出る。西の雲が厚くなってきたようだ。
6:55 PC1到着 23.5キロ
船明ダムで秋葉街道と呼ばれる国道152号の対岸を走るようになる。車が少なく快適な道である。
しばらく走ると雨が降り出した。店の軒先で雨宿りしながら、携帯で雨雲をチェックして少し安心する。すぐに上がりそうだ。すでにレインウェアーを着て走っていくライダーも見掛けるが面倒なのでそのまま走り出した。
雲名橋のたもとで秋葉山の大燈篭を見つけた。この前で写真を撮っているとブルベのブログで見かける白のGIANTの方がやってきた。
話しかけるとやっぱりそうでだった。しかし歳のせいか名前がなかなか浮かんでこない。失礼とは思ったけど聞いてやっと思い出した。
「らうむ木村」さんでした。
先週の名古屋600も完走され、連続の出走だそうだ。
「連続って大変じゃないですか~?」って聞いてみると、「案外いけちゃいますよ~」って帰ってくる。600が走れる人はやっぱり造りが違うのか? 来週の近畿600が頭をよぎる。
帰宅後ブログの速報で完走を知った。 SRおめでとうございます。
秋葉ダムからはダム湖に沿う急峻な地形となるが、道はアップダウンもなく快適に走る。
所々に山の中腹に集落が現れる。住めば都かもしれないが、毎日の生活は大変だと思う。
佐久間の駅に来たところで駅舎のベンチを見つけ休憩する。補給しながら休みはいつも「今日はどこ?」ってメールをくれるいつものおっさんに電話を入れた。
いきなり「はぁっ はぁっ はい」って息が荒い。このおっさん、朝から何やってんだァ?まずいときに電話したのか?
と思ったら坂を上ってるの途中だったらしい。近況を報告し応援をもらった。
東栄町の役場前の鬼? 思わず止まって写真タイムだ。こりゃやっぱり遅いはずだ。
写真が目的なのか、休憩がしたいのか?どっちかよく分からないがとにかく止まる事が多い走り方。こんな走りもあってもいいかと勝手に思いながらまた漕ぎ始める。
この先は峠道となる。国道が工事で規制中のため、迂回路の県道で山を越える。
坂の途中で3人のブルベライダーに追いついた。
自転車からは音楽が流れ一緒に歌いながら楽しそうにはべダルを漕いでいる。追い抜きながら「いいですね~」と話しかけると「辛いときは楽しくしないとっ」って陽気な返事が帰ってきた。
こんな走り方もあるのかと気づかされた思いだ。
この後しばらく小柳ルミ子の懐かしい歌が頭から離れなかった。
この峠道、展望は開けないが、木陰が多く車も少なく走りやすい。下りでは汗をかいた体が冷えすぎて少し寒くなった。
下りきって国道に戻ったところが、設楽町の中心街の田口の集落だ。腹が減ってきたので何を食べようかと迷っているうちに商店街を通り過ぎてしまった。
ここからは気持ちのいい下りが続く。下るのは気持ちいいが、次の峠への上りを考えると、複雑な気持ちだ。
今回はルートラボの断面図にピークの距離と標高を拾い出して書いてきた。峠までの残りの比高がわかるのは目標になっていい。
足助まで何もなさそうなのでコンビニで補給する。
ブルベではいつも夕方から食べ物が食えなくなる。今日どうかと心配になるが、この時はまだ食べれた。
田峯で国道420号に入り段戸トンネルへの上りが始まる。補給がしっかり出来たためか、思ってたより楽にトンネルに着いた。
上りで汗をかいた後のご褒美は最高だ。ここから標高差500mを一気に足助の街まで下る。このまま永遠に下ってくれたらいいのにと思うほどの下りであった。
ここからは交通量の多い国道となる。
天気がいいためか、多くのローディーとすれ違う。仲間と一緒に楽しそうに走る姿は羨ましい。
彼らの目にはブルベライダーはどう映っているのだろう?
14:49 PC2到着 155.5キロ
ゼリーとジュースの補給をする。
ここからしばらくは生まれ故郷となるため、道がよく分かる。この辺りを自転車で走るのは中学以来三十数年ぶりと思うと懐かしい。
あの頃、重たい通学車でいやいや押した道も今ならもっと楽しく走ることが出来る。そんなことを考えながら懐かしい風景を見る。
戸越峠は子供の頃、オンボロバスがうなりを上げてやっと上っていた記憶がある。もっとキツイ峠だとずっと思っていた。あの道を自転車で上れるのかと思ったいたが、何とか上れた。
何だか自分も、距離感も坂の感じ方もいかれてきたような気がして笑えてきた。
品野のコンビニでスープを補給する。やっぱり固形物が喉を通らなくなってきた。
ここから恵那までアップダウンの続く道となる。断面図では比高が大きくないので大したことはないと簡単に考えていた。
始めの雨沢峠でバテた。
名古屋のローディーのTTの場所らしいが、150以上走ってきた脚が悲鳴を上げ始める。
県境がピークだと思ってやっとたどり着いてもまだ上りがある。何で県境決めたん?って感じだ。
やっとたどり着いたが、ここからアップダウンが延々と続く。堪らず道端のベンチで横になって10分寝た。
上りになると途端に脚が回らない。3%の坂もインナーローでクルクル回さないと漕げなくなった。スピードが出ないので距離が稼げない。
やっとの思いで狛犬にたどり着いた。
写真だけ撮って先を急ぐ。
恵那で晩飯をと思っていたが、稲津で諦めた。
うどんなら食べれるかと思って注文はしたが、麺を三口食ったら気持ちが悪くなった。汁だけ全部飲んでレジに行ったらへんな顔をされてしまった。
外に出ると薄暗くなっているのでここで夜間の装備をする。
ここからも道はいいが登坂車線の付いた「立派過ぎる」道に嫌気が差してきた。
やっと恵那の街の明かりが見えたときにはDNFを初めて意識した。
20:25 PC3到着 226.3キロ
すでに到着していた人が「DNFの連絡ってどうするの?」って聞いてきた。頭が痛く、ここで止めるらしい。
このPCの制限時間が21:00。こんなに時間が掛かって、次まで辿り着けるか心配になる。この先700mの峠を2つ越えなければ新城には着けない。
補給をしていると後続のライダーが到着する。
「あ~間に合った。まだ遊びが続けれる~」って言いながら、レシートを得るためにコンビニに入っていった。
食べながら「そんな考え方もあるんだ」と思う。
「ブルベは仕事じゃない。所詮お遊びだ。」そう考えたら気は楽だ。
もう少し走ってみるかな。
2月の中部300以来、長距離を走ってない。3月の終わりには復帰のために180ほど走っては見たが、やっぱり焦ったようだった。
このまま長距離は走れなくなるんじゃないのか?
ヤブ医者には「このまま50肩に突入するかも」なんてことを言われて心配もした。
3月、4月、5月と近場のブルベが終わっていく。
走れるようになったらと思ってエントリーしていた、「BRM529静岡400」の案内メールが届いた。
一度は今年の復帰は無理と諦めたいたが、やっぱり迷う。
今年、ブルベを走り始めたときから、ずっと励ましてくれている人からは「走りたい気持ちがあるのなら、DNF覚悟で気楽に走ってみたら」という言葉をもらった。
今までは走る以上は完走が目標だった。「行けるとこまで行ってダメならDNFでもいいじゃないか」ってことを気づかせてもらった気がする。
気は楽になった。でも一つ考えることが増えた。
DNFの帰りをどうする? 泊まれるところかあるのか?電車のあるところで止めて輪行か?。
今回のコースはPC3の恵那で夜になる。その先は新城までずっと山の中だ。止めるなら恵那までに決断しないと山の中でイノシシか熊の餌になる。
そんなことを考えながらの準備です。3ヶ月のぶりのブルベ、装備も忘れてます。(汗)
静岡のブルベはスタートが早い。
2時前に起きて高速で袋井を目指す。ナビのおかげで場所はすぐに分かった。
雨と夜中の装備に迷う。天気予報では少しは降られるかもしれない。結局、バックに入るだけ詰め込んで重くなる。
こんなんで峠が上れるのか心配になるがしょうがない。
受付を済ませてブリーフィング。
装備も人それぞれで見ると参考になる。
スタートからPC1までは近いため、前も後ろもブルベライダーが続く。
袋井の街を北上し、山が迫ってくると天竜川に出る。西の雲が厚くなってきたようだ。
6:55 PC1到着 23.5キロ
船明ダムで秋葉街道と呼ばれる国道152号の対岸を走るようになる。車が少なく快適な道である。
しばらく走ると雨が降り出した。店の軒先で雨宿りしながら、携帯で雨雲をチェックして少し安心する。すぐに上がりそうだ。すでにレインウェアーを着て走っていくライダーも見掛けるが面倒なのでそのまま走り出した。
雲名橋のたもとで秋葉山の大燈篭を見つけた。この前で写真を撮っているとブルベのブログで見かける白のGIANTの方がやってきた。
話しかけるとやっぱりそうでだった。しかし歳のせいか名前がなかなか浮かんでこない。失礼とは思ったけど聞いてやっと思い出した。
「らうむ木村」さんでした。
先週の名古屋600も完走され、連続の出走だそうだ。
「連続って大変じゃないですか~?」って聞いてみると、「案外いけちゃいますよ~」って帰ってくる。600が走れる人はやっぱり造りが違うのか? 来週の近畿600が頭をよぎる。
帰宅後ブログの速報で完走を知った。 SRおめでとうございます。
秋葉ダムからはダム湖に沿う急峻な地形となるが、道はアップダウンもなく快適に走る。
所々に山の中腹に集落が現れる。住めば都かもしれないが、毎日の生活は大変だと思う。
佐久間の駅に来たところで駅舎のベンチを見つけ休憩する。補給しながら休みはいつも「今日はどこ?」ってメールをくれるいつものおっさんに電話を入れた。
いきなり「はぁっ はぁっ はい」って息が荒い。このおっさん、朝から何やってんだァ?まずいときに電話したのか?
と思ったら坂を上ってるの途中だったらしい。近況を報告し応援をもらった。
東栄町の役場前の鬼? 思わず止まって写真タイムだ。こりゃやっぱり遅いはずだ。
写真が目的なのか、休憩がしたいのか?どっちかよく分からないがとにかく止まる事が多い走り方。こんな走りもあってもいいかと勝手に思いながらまた漕ぎ始める。
この先は峠道となる。国道が工事で規制中のため、迂回路の県道で山を越える。
坂の途中で3人のブルベライダーに追いついた。
自転車からは音楽が流れ一緒に歌いながら楽しそうにはべダルを漕いでいる。追い抜きながら「いいですね~」と話しかけると「辛いときは楽しくしないとっ」って陽気な返事が帰ってきた。
こんな走り方もあるのかと気づかされた思いだ。
この後しばらく小柳ルミ子の懐かしい歌が頭から離れなかった。
この峠道、展望は開けないが、木陰が多く車も少なく走りやすい。下りでは汗をかいた体が冷えすぎて少し寒くなった。
下りきって国道に戻ったところが、設楽町の中心街の田口の集落だ。腹が減ってきたので何を食べようかと迷っているうちに商店街を通り過ぎてしまった。
ここからは気持ちのいい下りが続く。下るのは気持ちいいが、次の峠への上りを考えると、複雑な気持ちだ。
今回はルートラボの断面図にピークの距離と標高を拾い出して書いてきた。峠までの残りの比高がわかるのは目標になっていい。
足助まで何もなさそうなのでコンビニで補給する。
ブルベではいつも夕方から食べ物が食えなくなる。今日どうかと心配になるが、この時はまだ食べれた。
田峯で国道420号に入り段戸トンネルへの上りが始まる。補給がしっかり出来たためか、思ってたより楽にトンネルに着いた。
上りで汗をかいた後のご褒美は最高だ。ここから標高差500mを一気に足助の街まで下る。このまま永遠に下ってくれたらいいのにと思うほどの下りであった。
ここからは交通量の多い国道となる。
天気がいいためか、多くのローディーとすれ違う。仲間と一緒に楽しそうに走る姿は羨ましい。
彼らの目にはブルベライダーはどう映っているのだろう?
14:49 PC2到着 155.5キロ
ゼリーとジュースの補給をする。
ここからしばらくは生まれ故郷となるため、道がよく分かる。この辺りを自転車で走るのは中学以来三十数年ぶりと思うと懐かしい。
あの頃、重たい通学車でいやいや押した道も今ならもっと楽しく走ることが出来る。そんなことを考えながら懐かしい風景を見る。
戸越峠は子供の頃、オンボロバスがうなりを上げてやっと上っていた記憶がある。もっとキツイ峠だとずっと思っていた。あの道を自転車で上れるのかと思ったいたが、何とか上れた。
何だか自分も、距離感も坂の感じ方もいかれてきたような気がして笑えてきた。
品野のコンビニでスープを補給する。やっぱり固形物が喉を通らなくなってきた。
ここから恵那までアップダウンの続く道となる。断面図では比高が大きくないので大したことはないと簡単に考えていた。
始めの雨沢峠でバテた。
名古屋のローディーのTTの場所らしいが、150以上走ってきた脚が悲鳴を上げ始める。
県境がピークだと思ってやっとたどり着いてもまだ上りがある。何で県境決めたん?って感じだ。
やっとたどり着いたが、ここからアップダウンが延々と続く。堪らず道端のベンチで横になって10分寝た。
上りになると途端に脚が回らない。3%の坂もインナーローでクルクル回さないと漕げなくなった。スピードが出ないので距離が稼げない。
やっとの思いで狛犬にたどり着いた。
写真だけ撮って先を急ぐ。
恵那で晩飯をと思っていたが、稲津で諦めた。
うどんなら食べれるかと思って注文はしたが、麺を三口食ったら気持ちが悪くなった。汁だけ全部飲んでレジに行ったらへんな顔をされてしまった。
外に出ると薄暗くなっているのでここで夜間の装備をする。
ここからも道はいいが登坂車線の付いた「立派過ぎる」道に嫌気が差してきた。
やっと恵那の街の明かりが見えたときにはDNFを初めて意識した。
20:25 PC3到着 226.3キロ
すでに到着していた人が「DNFの連絡ってどうするの?」って聞いてきた。頭が痛く、ここで止めるらしい。
このPCの制限時間が21:00。こんなに時間が掛かって、次まで辿り着けるか心配になる。この先700mの峠を2つ越えなければ新城には着けない。
補給をしていると後続のライダーが到着する。
「あ~間に合った。まだ遊びが続けれる~」って言いながら、レシートを得るためにコンビニに入っていった。
食べながら「そんな考え方もあるんだ」と思う。
「ブルベは仕事じゃない。所詮お遊びだ。」そう考えたら気は楽だ。
もう少し走ってみるかな。